天然の断熱材
古民家のお宅で
天井が下がってしまったので
修理して欲しいとの依頼がありました。
丁度、仏間の前の天井が
たまごを丸呑みしたように
10~15センチ下がっていました。
「天井裏の土が落ちていると大変だな」
と思いながら
仮設の支柱を立てて天井を支えて、
作業開始です。
ところで、ここの古民家は凄いです。
長押(なげし)は
面皮付で(角の部分が、丸太の自然のまるみを残して加工してある)
竿縁までも面皮付きです。
とても見ごたえがあります。
神棚も1間の幅で
私は他では見たことがありません。
天井の支えを終えて
天井裏に上がり、土を一部はぐりました。
竹の上にワラを敷き、
その上に5~10cm
土が積まれています。
これが夏の暑さを遮り、
「なんとなく涼しいな」といった
肌の感覚を生み出しているのです。
それだけかと思ったら・・・、
天井裏にはムシロが敷かれ、
その上に
杉の枝葉が敷き詰められていたのです。
最初はムササビが運んだのかと思いましたが、
枝の切り口、大きさ、量から
最初から敷いてあったのだと分かりました。
- ねずみよけ
- 断熱
- 天井の保護
- 防虫
どんな理由かは分かりませんが、
昔ながらの工法が見れたことに
大感動でした。